6 月 8th, 2009 | No Comments »

位牌(いはい)とは、死者の祭祀のため、死者の戒名などを記した木の板の事を言います。

中国の後漢時代から、儒教の葬礼に用いられる神主(しんしゅ。死者の官位・姓名を書く霊牌。)と同視されたため、「位」牌と呼ばれるようになったそうです。

またその起源は、霊の依代(よりしろ)という、古来の習俗と仏教の卒塔婆が習合した物とも言われています。

日本には禅宗と共に鎌倉時代に伝来し、江戸時代に一般化しました。

位牌には大別して、内位牌(白木位牌)・本位牌(塗位牌)・寺位牌があります。

・内位牌
死者の戒名・俗名(生前の姓名)・死亡年月日・享年(行年)が書かれた(あるいはこれらが書かれた紙を貼った)白木の簡素な位牌です。

野位牌は臨終後すぐに製作され、枕飾りおよび葬儀の際に使われます。

土葬の場合は、四十九日の法要あるいは朽ち果てるまで埋葬した上に据え置かれます。

火葬の場合は、葬儀後家に持ち帰り、中陰壇(四十九日の法要および納骨式まで遺骨を祀る臨時の屋内祭壇。)に祀られ、中陰壇を解いた後、焚き上げられます(内位牌の作成後、野位牌から本位牌に御霊を移動して頂いた後)。

・本位牌
四十九日の法要までに、野位牌から作り替えられる位牌です。

漆塗りに金箔・沈金・蒔絵が施されるなど立派な物が多いのが特徴です。

永く仏壇に安置して祀られる物です。

位牌には札位牌と繰り出し位牌があり、札位牌は、一人あるいは夫婦など二人以上の戒名等が表面に書かれた(彫られた)位牌です(書かれた人が存命中は、朱色の字にしておきます。複数名用に巾の広い巾広位牌もあります)。

繰り出し位牌は、多数の木の札が重ねて納められた位牌で、木の札一枚一枚に一人の戒名等を記しています。

・寺位牌
本位牌の他に、菩提寺(旦那寺)や本山に供養の布施と共に納める位牌の事です。

寺では位牌堂や本堂内に安置し、朝夕の勤行の際に供養されます。

・逆修牌(ぎゃくしゅうはい)
生前戒名をつけて作った位牌の事です。

・順修牌(じゅんしゅうはい)
順修牌とは亡くなった人のために作った位牌の事を言います。

単に位牌といえば、順修牌を指しています。

・野位牌
内位牌同様の白木の位牌です。

墓石に文字が刻むまでの間にお墓に置く位牌の事を言います。

宗派による違い
・禅宗
戒名の上に「空」の字が入ります。

野位牌では「新帰元」などと書かれる事もありますが、本位牌では「空」に改めます。

・真言宗
戒名の上に「阿」の梵字が入り、大日如来を表しています。

子供の場合は、戒名の上に「訶」字の梵字が入り、地蔵菩薩を表しています。

・浄土宗・時宗
戒名の上に「キリーク」の梵字が入り、阿弥陀如来を表します。

・日蓮宗
法号の上に「妙法」の文字が入ります。

・日蓮正宗
法名の上に「妙法蓮華経」の文字が入ります。

本位牌は作成せず、過去帳に記されます。

・浄土真宗
位牌は、用いず(高田派を除く)、法名は法名軸や過去帳に記します。

他宗では追善供養の概念があり、塔を建てることが追善になるとされます。

位牌を作製するのも塔を建てると同じことである(塔婆も同じ)とも考えられます。

浄土真宗では、阿弥陀如来の本願(四十八願)により死者はすでに浄土に往生しているとされるので、「死者に対する回向」という概念がなく、礼拝の対象にもなりません。

そのため、位牌を用いないのですが、地域の慣習として作製する事もあるので、その場合は、故人の記録としての意味で、霊魂が宿る等の他宗のような特別な意味はありません。

・寸法
位牌のサイズは尺貫法で表されます。

寸法は札丈(札板=文字を入れる板の部分 の高さ)を測り、「号」で表されます(例:4.0号=札丈が約12cm)。

本位牌では2.5~7.0のサイズがあります。

また、寺位牌で大きなものは札板の巾を測ります。

なお、数え方は「~柱」です。

産地
会津若松(会津位牌)、京都(京位牌)、名古屋(名古屋位牌)、和歌山(高野位牌)が主な産地であり、高級品が中心です。

安価品は中国、ベトナム産などです。

Posted in 仏具
5 月 11th, 2009 | No Comments »

香典返しは、本来は必要のない習慣でしたが(香典は霊前に供える物であるため)、現在では、忌明けに遺族が香典返しを送る事が多いです。

忌明けは、仏式ならば四十九日の法要後、神式ならば五十日祭を終えた後、キリスト教式では死後一ヶ月後の昇天(召天)記念日の後とされています。

香典返しの金額は、香典の3割から5割が一般的です。

香典返しの品は、食品や消耗品がほとんどで、茶・菓子・のり・砂糖・タオル・寝具・せっけん・食器など、実に様々です。

なお、香典返しの中には、会葬御礼と忌明けの報告を兼ねた挨拶状を同封します。

香典返しの書き方は、仏式では「志」「忌明志」と表書きし、白黒あるいは灰色の結び切りの水引をかけます(ただし、関西地方では、「満中陰志」と表書きし、黄白の水引をかけます)。

神式では「志」「偲草」「しのび草」と表書きし、白黒あるいは双銀の結び切り水引をかけます。

キリスト教式では、「召天記念」(プロテスタント)・「感謝」・「志」と表書きをし、水引はかけません。

ただし、地域によって香典返しの内容は異なり、会葬御礼の挨拶状と数百円程度の品物を、香典の領収書と共に通夜の時に返す場合(北海道)や、香典返し(「代非時(だいひじ)」と言う)を通夜の会場で返す場合(伊勢地方)、その場で香典の半額を返金する場合(奈良)などがあります。

Posted in 作法
5 月 11th, 2009 | No Comments »

香典袋の書き方は、表に「御霊前」などの文字の下に薄墨で自分の名前を書きます(なお、薄墨は、涙で墨が薄くなったという意味から、悲しみを表すとされています)。

袋の裏は、上側を上にし、中には白無地の封筒(中袋)に紙幣を入れます。

中袋の裏には自分の住所・氏名・封入した金額を明記しておきます。

中袋の文字も薄墨で書き、表側には、見やすいように楷書で、漢数字を使って金額を書きます。

ただし、壱(1)・弐(2)・参(3)・阡(千)・萬(万)の5つの漢字は、旧漢字縦書きで書きます(例:金五阡円、金壱萬円など)。

裏側には、香典袋(外側の袋)に氏名などを書いていたとしても、郵便番号、住所、氏名を明記します(喪家が香典返しで困らないようにするため)。

以下、各宗派における香典袋の書き方です。

・仏式
白無地か蓮の花の絵柄が入った包みに、「御霊前」・「御香料」・「御香典」と表書きし、白黒あるいは双銀(銀一色)の結び切りの水引をかけます。

「御仏前」は、四十九日(七七日忌)以後の法要で用いるのが一般的で、葬儀が終わって故人の霊魂が成仏した後は「御仏前」、それまでは「御霊前」と書くのが一般的と言われています。

ただし、浄土真宗の場合、人は死後すぐに仏になるという思想を持つため、香典であっても「御仏前」と書きます。

・神道式
香を用いないため香典と呼ばず、白無地の包みに、「御霊前」・「御玉串(料)」・「御榊料」と表書きし、白黒あるいは双白(白一色)の結び切り水引や麻緒(あさお)の結び切りをかけます。

・キリスト教式
白無地の封筒か、「お花料」の表書きや白百合・十字架などが印刷された市販の封筒を使い、結び切りはしません。

・宗派不明
どの宗派の葬儀か分からない場合は、白無地の包みに、「御霊前」と表書きし、白黒あるいは双銀の結び切り水引の香典袋を用いるのが無難です。

Posted in 作法
5 月 11th, 2009 | No Comments »

香典(こうでん)とは、仏式等の葬儀で、死者の霊前等に供える金品のことを言います。

香奠、香料という場合もあります。

「香」の字が用いられるのは、香・線香の代わりに供えるという意味であり、「奠」とは霊前に供える金品のことを指します。

本来、香典は故人に対する供物であるとともに、不意の事態に遭遇した故人の家族への支援でもありました。

古くは農村部を中心に食料を送って、それを僧侶や葬儀参加者の食事に宛てることが多かったそうです。

また、穢れの思想が強かった時代に、葬儀に携わる故人の親族が人々と接触して穢れを広めないようにするため、故人の家族と親族の食料を予め用意しておくという配慮も、元になっていたと考えられています。

現在では穢れの思想も薄れ、親族以外の香典も全てが故人の家族に渡されるようになったと考えられています。

通常、香典袋(不祝儀袋)に入れて葬儀(通夜あるいは告別式)の際に遺族に手渡す事になっています。

Posted in 作法