棺(かん、ひつぎ(柩))とは、葬儀の後に遺体を納めて葬るための容器の事を言います。
木製の場合は木棺(もっかん)、石造の場合は石棺(せっかん)と言われます。
日本
今日の日本では火葬がほとんどであるため、それに適した棺が使用されています。
大きく分けて天然木棺と、合板製のフラッシュ棺に分けられます。
天然木棺は、主材が檜(ヒノキ)、樅(モミ)、桐(キリ)などの無垢材が用いられており、高級品です。
一方フラッシュ棺は、薄いラワン合板の間に芯材を入れて貼り合わせ、表面に天然木(桐が主流)を薄くスライスしたものを貼った突板貼り合板棺、木目を紙に印刷したプリント合板棺、布を貼った布張り棺があり、比較的安価です。
最近は熱帯雨林の保護や地球温暖化、そして地球資源の有効活用から、環境に配慮した特殊段ボール製のエコ棺も出始めています。
また、形状はそれぞれ箱型、カマボコ型、山型、舟型などがあり、外観には彫刻を施した総彫刻、五面彫刻、三面彫刻、二面彫刻などの彫刻棺もあります。
サイズは火葬場により入れられる寸法が異なり、一般的に関東は大きめの棺が使われています。
蓋には遺体の顔を見られるように、専用の蓋で開く小窓がついている事が多いです。
内装のほとんどは白が主流で、素材としてはポリエステルが用いられていますが、価格により高価な素材が使われ、レース等の装飾が施されています。
棺の価格は安いものでも数万円は珍しくなく、高いものでは数十万~100万円以上するものもあります。
遺体と共に愛用品やお気に入りだった衣服・書籍などを副葬品として納め、そのまま火葬する事もありますが、最近は環境問題から、火葬場側ではそれを自粛するように呼びかけられています(特にプラスチック類など)。
しかし、現状では社交的・風習的な事情からも、規制が難しい側面があります。
日本の棺の歴史
弥生時代には、甕棺や憤丘墓に棺が使われていました。
弥生憤丘墓の棺は短く、内法で2メートル程度の組み合わせ箱形木管が主流だったようです。
中には底がカーブしており、割竹形木棺のような棺もあり、組み合わせ石棺も北九州などにあります。
古墳時代には、木棺や石棺が使われました。
その形は様々で、木棺では刳り抜き式の割り竹形、組合せ式箱形、長持ち形などがあり、石棺には割り竹形、長持ち形などがあります。
古墳時代に盛行した割竹形木棺(わりたけがたもっかん)は、直径1メートル前後のかなり太い丸木を縦に割り、内部を刳り抜いて大人一人の遺骸を収納できるようにした棺です。
この名の由来は、竹を縦にわってつくったように見えることから来ています。
舟形木棺も同じような造り方で、棺の長さは平均でも5メートル前後、長いものは8メートルにも及び、一人の遺骸を納めるには長すぎる大きさです。
副葬品を入れるためとも思われていますが、そればかりではないという意見もあります。
しかし、三分割して頭部上と足部下に各種品を納めている例もあります。
材質はコウヤマキが圧倒的に多いです。
鎌倉時代からは樽型の棺(座棺)が主流でしたが、この棺はまだ火葬が主流になる前、土葬をする際に多く用いられていました。
火葬も可能でしたが、この棺に対応する火葬場、土葬の減少もあり、現代は主に寝棺が使われています。