湯灌(ゆかん)とは、葬儀に際し遺体を入浴させ、洗浄することです。
簡易には遺体を清拭することで済ませる場合もあります。
故人が男性の場合は髭を剃られ、女性の場合は死に化粧が施されます。
地域差があり、湯灌が行われない所もあります。
葬儀社の手によって行われ、自宅で葬儀を行う場合などでは、給排水装置を積んだ専用車が手配され、葬儀会場へ専用の湯船が搬入されます。
看護師による簡易な清拭は「エンジェル・サービス」と呼ばれています。
中国の「南史」巻76陶弘景に「遺令して沐浴を須ひず(湯灌の事)」が記されています。
出家は湯灌して新浄衣および法服を着させ、在家は湯灌し鬚、髪を剃って、剃度の儀式を供えさせるのが作法であると言われていました。
仏教でも盛んに湯灌が行われるようになったのは、宋代、禅宗の勃興ののちであり、禅宗の伝来とともに日本に伝来したそうです。
ことに江戸時代には、死体検案を口実に菩提寺住職たちあいのもとに、湯灌が行われたようです。
湯灌を個人宅で行うのを嫌うために、湯灌のための湯灌場をもうけた寺院もありました。
「東海道中膝栗毛」巻3之上に「湯灌場はどこだ」とあり、ほとんどの寺院に常設されていたようです。